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多 良 岳 | |||||||
多良岳(標高996m)は佐賀県と長崎県の県境南部に位置し、ふもとから見ると1つの大きな山のようですが、山系としては、ピークが佐賀県側にある多良岳のほか、両県にまたがる経ヶ岳(標高1,076m)、長崎県側の五家原岳(標高1,057m)など多くの峰々からなり、山麓はいくつもの谷と尾根が放射状に刻まれた意外と複雑な地形をしています。数十万年前の噴火で今の多良岳山系がかたちづくられたといいますが、今では火口もはっきりしません。 長崎県では多くの山で照葉樹が優占しますが、標高の高い多良岳や雲仙岳では落葉樹林が広がり、多良岳上部の登山道を歩けば、樹林下ではツクシコウモリソウ、オオバヨメナなどの九州ならではの植物が生えるほか、岩尾根ではツクシシャクナゲも見られます。山麓の一部には採草に適した草原が残り、夏から秋にかけてロクオンソウやホソバヒメトラノオといった花がつぎつぎに花を開きます。 |