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紀伊半島 | |||||||
「南海道」は古代より用いられてきた行政区画ですが、四国のほかに紀伊半島や淡路島を含んでいて、太平洋に面している西日本のこれら地域を1つのエリアとみなしているところがおもしろい着眼点です。当時の人々は気づいていなかったでしょうが、じつは紀伊半島と四国は、植物についても、たとえばコモノギクやキレンゲショウマのように共通する種類が多く、さらには南九州まで分布するものも含めて、中央構造線に沿った分布となることから、このような分布を示すものを「襲速紀(そはやき)要素」の植物と呼んでいます。 また、国内でもっとも降水量の多い地域であることも影響してか、紀伊半島には熊野川や古座川をはじめとして、谷間を流れる大小の河川が多く、このような渓流ぞいの環境を好むクルマギク、キシュウギク、キイジョウロウホトトギスなど、紀伊半島に特産する植物も多く知られています。 |