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日本一の高さ(標高3,776m)と均整のとれたかたちで外国にまでひろく名を知られた富士山ですが、植物についてみれば、山がかたちづくられてからの歴史が浅く、また、5合目より上は草木の生育が困難な高山荒原となっていることが一因となって、植物相はどちらかというと貧弱といえます。富士山の植物で特徴的なのはむしろ、青木ヶ原に代表される溶岩がかたまったあとにできたシラビソなどからなる針葉樹林で、一部にはアズマシャクナゲも見られるほか、わずかに蓄積した土壌にはコケがマットのように広がり、その上にはコバノイチヤクソウ、イチヨウランといった小型の植物が生えます。また、地表が安定せず、土壌に栄養分の少ない高山荒原では、このような裸地でも生育できるムラサキモメンヅル、オンタデなどが見られます。 |