Home > 表紙によせて > 表紙によせて(2017.2〜2017.4) |
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三浦半島というと、海のイメージが強く、植物も海岸のものばかりに目がいきがちですが、最高峰の大楠山(標高241m)に代表されるように、内陸部は山がち、谷がちの地形が多く、わたしはこのエリアでは未見で、今なお探索中のヤマタバコ、アキハギク、カリガネソウをはじめ、県内ではめずらしい植物も多く記録されています。 このときは、イズセンリョウの果実を見ようと思い、西側の逗子市から鷹取山(標高139m)をめざしたところ、神武寺を過ぎたところで、それまでのジメジメ、うっそうととした谷沿いの景色から急に変わり、明るく乾いた尾根沿いの登山道となりました。山頂付近はかつて石切場になっていたとのことで、大きな岩を左右に見ながら進んでいくうちに現れたのがリュウノウギクでした。 神奈川県に分布するキク属としては、リュウノウギクはもっともポピュラーで、箱根や丹沢では群生もふつうに観察できますが、三浦半島にもこんなにたくさん生えているとは思ってもみなかったので、この山で見られたノコンギクやシロヨメナ、そして海岸の岩場で咲いていたイソギクやハナイソギクとあわせ、思いのほかに野菊づくしの休日となりました。 (2016.11.27 神奈川県横須賀市) ○「リュウノウギク」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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