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  表紙によせて
 谷川岳に登るのは、十数年の6月にナエバキスミレなどを見に出向いたとき以来のこと、いつのまにやら一新されていたロープウェイにゆられながら、天神平駅に降り立ちました。山頂が2つある特徴的な谷川岳の山容が目に飛びこみ、気分ももりあがります。

 この日はひさしぶりの梅雨の晴れ間とあって登山道は大渋滞、20分ほど歩いて避難小屋を過ぎると、ここから肩の小屋までは稜線の直登がつづき、植物の種類はあまり多くありません。山頂から引き返して西黒尾根の登山道へと下ると、こちらは雪渓もあってイワカガミイワイチョウなど、湿りけのあるところに生える植物が現れました。

 このルートには蛇紋岩地があり、オゼソウホソバヒナウスユキソウなど、至仏山と共通する植物が数多く知られています。登りとはうって変わって豊富な植物に目をうばわれながら進むうちに、青紫色の花を風にゆらせて群れ咲くヒメシャジンが現れました。

 至仏山でヒメシャジンが咲くのは8月に入ってからなので、ずいぶん早く咲くんだなあと思ったのですが、あとで考えてみれば、咲いていたのは標高1,700mあたりで、至仏山の稜線よりもずっと低く、そのぶん、季節が早く進んでいるんだろうと納得できました。

      (2015.7.12 群馬県谷川岳)

○野生植物写真館「ヒメシャジン」
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