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ヒルガオ科は世界的にみると、南米北部原産とされるサツマイモをはじめとして、その分布の中心は熱帯〜亜熱帯にあります。関東地方以北まで分布する自生種は少なく、野山に生えるのはヒルガオにコヒルガオ、それにネナシカズラの仲間くらいしかありません。 ヒルガオ科の帰化植物で近年、勢力旺盛なものといえば、アメリカネナシカズラ、それからマルバルコウでしょう。マルバルコウは熱帯アメリカ原産で、「日本の帰化植物」(平凡社)によれば、およそ160年前、江戸時代の嘉永年間にはもう栽培されており、標本も残っているとのことです。いまでは植えられるものよりむしろ、空き地や道ばたで目にすることが多く、そのあたりはヒルガオと似通っています。茎や根の切れはしで増えたり、1株から数千個もの種子を生みだしたりするこの仲間は、フロンティアを見つけて勢力を拡大するのは得意分野といえそうです。 このときはフジバカマの撮影を終え、田園風景をながめながら最寄り駅へと向かっていたところ、道路のフェンスにからみつくマルバルコウが目に入りました。つかまるのにおあつらえ向きの支柱を見つけて居心地がよいらしく、数えきれないほどの花をつけて満開となっていました。 (2013.9.24 茨城県) ○野生植物写真館「マルバルコウ」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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