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表紙によせて

 エンシュウハグマの存在そのものは、図鑑などで以前から知っていましたが、細かく裂けた花冠をもつ小花を3つずつつけるのは、同属のオクモミジハグマテイショウソウなどと同じですし、深く切れこんだ葉が特徴というくらいで、とくに印象に残るものではありませんでした。
 
 ですから、Yasukoさんが「2007年版・今年出会った花ベスト集」でアップされたエンシュウハグマを拝見したとき、エンシュウハグマはこういう花を咲かせるのか、とびっくりしたように記憶しています。リボンみたいにクルクルとねじれた花冠の裂片は紙細工のようで、むしろ、色こそちがうものの、シデシャジンを連想させます。そのとき以来、いつか実物を見に行かなければ、と心に留めていました。
 
 今回、「2009年版・今年出会った花ベスト集」に協力させていただくのにあたり、Yasuko's HPを見直していたところ、このエンシュウハグマに目がとまり、さっそく、静岡・愛知県境あたりまで出かけることとしました。2年前、おそらくはYasukoさんが撮影されたのと同じ場所で、エンシュウハグマはそのときと変わらずに長い花序を風にゆらせていました。

         (2009.10.18 愛知県新城市)

○野生植物図鑑「エンシュウハグマ」
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