Home > 表紙によせて > 表紙によせて(2007.10〜2008.1) |
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東北から九州まで広い分布域を持つものの、石灰岩地などに遺存的に点在するだけで、いちじるしい隔離分布となっているイワギクですが、白山の周辺からも報告されていることは以前から知っていました。金沢に住んでいたころ、自生地を訪問してみようと思っていた矢先に引っ越すことととなり、もう咲いているころだろうと思いつつも、荷づくりに追われてしまい、結局、目にする機会はありませんでした。 今回、じつに5年ぶりに県境にほど近い山奥を訪ねると、深い谷へとつづく断崖絶壁でイワギクは大きな白い花を開いていました。レッドデータブックでは絶滅危惧U類とされますが、ここはよほど住みごこちがよいのか、そこここで岩のすきまに根づいて葉を広げていました。近くにはリュウノウギクもたくさんありますが、混生することはなく、しっかり住みわけています。6倍体のイワギクに対し、リュウノウギクは2倍体なので、生殖的にも隔離されているらしく、キクの仲間によくある雑種も見あたりません。 ひさしぶりにゆっくりと石川県内をめぐることのできた秋の一日、ヨメナやノコンギクなどの野菊をはじめ、サワアザミなどのアザミ類や、シソ科のアキギリやサンインヒキオコシなど、北陸ならではの秋の花たちを満喫することができました。 (2007.10.13 石川県白山市) ○野生植物図鑑「イワギク」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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