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表紙によせて

 四国は、西日本でもっとも高い石鎚山(1,982m)をはじめとした急峻な山々や、黒潮洗う太平洋側の海岸など、多彩な自然環境に恵まれています。それを反映してか、植物については固有種が多く、魅力的なエリアの1つです。
 
 新たな出会いを求めて、だいたい2年に1回は足を向けている四国ですが、この年は関東地方ではまだ真冬といえる2月に初めて訪ねることとしました。お目当ては春一番に咲くシコクバイカオウレンシコクフクジュソウ、どちらも近年報告されたばかりの種類です。
 
 この日の高知県は快晴、空港への降下中には、遠く雪をかぶった四国山脈まで見わたせました。現地に降り立つとすでに春の陽気、南国土佐を肌に感じつつ、同行くださる皆さまとの再会のあいさつもそこそこに、シコクバイカオウレンの自生地へと向かいます。
 
 現地に着くと、スギの樹林下に白い花がたくさん咲いているのが遠くからでもわかります。その第一印象は、とにかく「小さいなあ!」というものでした。バイカオウレンより二回りは小さいそのすがたに、母種とはたしかに異なるグループと実感しました。
 
 このあとはさらに山奥へと移動し、残雪から顔を出すシコクフクジュソウを見ることができ、とても充実した一日となりました。
             (2012.2.19 高知県)

○野生植物写真館「シコクバイカオウレン」
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