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  表紙によせて
 21世紀になってから新種として発表されたシナノショウキラン、見にでかけるのが計画より1週間遅れとなり、「花が傷んでしまったのではないか」と心配しながらの出発となりました。先に立ち寄った木曽谷では、キソキバナアキギリが登山道をうめつくして満開となっているのに出会い、気をよくして伊那谷へと移動しました。
 
 シナノショウキランの生育が期待できそうなところをあらかじめ何ヶ所か調べていたのですが、さしあたり、木曽谷からいちばん近いところから訪ねることとしました。谷ぞいの登山道は人影少なく、歩きはじめにすれちがった釣り人2人だけで、登山者には1人も出会いません。
 
 木もれ日がそそぐカエデ林下を進むにつれ、遠くの林床にクリーム色のかたまりが見え、もしやと近づくと、シナノショウキランの群生とわかりました。生えている株数は数えきれないほどで、このあまりにみごとな生えっぷりに、しばらくはカメラを向けるのも忘れて、その場にたたずんでしまいました。
 
 どうやら前年はここにはこんな群生はなかったらしく、シナノショウキランは年によって発生場所が変わるようです。こんなところはやはり従属栄養性の生物であるキノコと相通じるところがあり、菌類と共生して生長することと関係があるのかもしれません。
 
           (2011.6.26 長野県)

○野生植物写真館「シナノショウキラン」
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