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  表紙によせて
 ヒイラギはするどいトゲのある葉を持つことから、生け垣などに利用されますが、突然変異で生まれたものなのでしょう、葉にトゲがなく、全縁になっているツカミヒイラギという変種が知られています。「神奈川県植物誌2001」を読んでいたときにその存在を知り、花が咲く時期を見はからってさっそく出かけてみることにしました。

 ツカミヒイラギはイギリスの貿易商のサムエル・コッキングによって収集され、1882年に江ノ島に造成された庭園に植えられたものだそうで、現在は江ノ島の展望台・シーキャンドルとともに「サムエル・コッキング苑」内で見ることができ、1971年には藤沢市の天然記念物に指定されて保護されています。

 たった1本残るツカミヒイラギは高さ3mほど、花が咲くのはごく一部の枝先だけで、経緯からすれば樹齢は100年を超えるはずですから、老木となってしまっていて、樹に勢いがないのも無理もありません。

 東京大学の小石川植物園にも保存されているようですが、挿し木等により世代交代を図り、貴重なこの個体が確実に生き残れるようにする必要があるように思います。

      (2015.12.5 神奈川県藤沢市)

「ツカミヒイラギ」
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