Home > 表紙によせて > 表紙によせて(2012.11〜2013.1) |
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ホトトギスといえば、花よりもむしろ鳥のほうが有名です。新緑のころに南国からやってくる夏鳥で、わたしは尾瀬でテント泊したとき、なんども未明に聞いた「キョキョキョキョキョ」というけたたましい鳴き声が強く印象に残っています。 ホトトギスの胸には細かな斑点模様があるのですが、植物のホトトギスの名前はこれを花被片にある紫色の斑点になぞらえてついたものといいます。それほどにどちらもむかしから人々の生活に身近だったのでしょう。 日本にはホトトギス属の植物が12種もあり、この属の分布の中心とされます。大きく分けるとジョウロウホトトギス節(3種)、キバナノホトトギス節(4種)、ヤマホトトギス節(4種)、そしてホトトギス節(2種)と4グループがあります。このうち、属を代表するホトトギスの仲間は少数派、そのかわり、人里近くの山野に生え、目にする機会がもっとも多いのがホトトギスです。 写真のホトトギスは藤沢市内の丘陵地で撮影したもので、じつはこの前年に見つけたのですが、そのときは心ない人に茎ごと折られてしまったあとで、写真の撮りようがありませんでした。「今年こそは」と散策路を進むと、ずらっとならんだ花はちょうど満開となり、わたしの再訪を歓迎してくれるかのように出迎えてくれました。 (2012.10.13 神奈川県藤沢市) ○野生植物写真館「ホトトギス」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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