Home > 表紙によせて > 表紙によせて(2011.11〜2012.1) |
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この写真を見た人は、多くの場合、アザミの花と思うのではないでしょうか。それくらいにトウヒレンは、アザミのかげにかくれてなかなか認識してもらえない植物といえそうです。トウヒレン属は国内で25種以上が知られている大きなグループで、アザミ属にもひけをとりません。 トウヒレン属は種数が多いだけあって、草地、湿地、岩場と生育環境も幅広く、また、垂直分布でみれば、アザミのような海岸に特有なものこそありませんが、丘陵地から高山までさまざまな種類が知られています。 ヒメヒゴタイは草地に生えるトウヒレンの代表選手で、低山のほか、HP「石川の植物」によれば、能登半島では海岸近くにも生えるそうです。アザミより地味な印象のあるトウヒレンにあって、ヒメヒゴタイとヒナヒゴタイは例外で、頭花の総苞片につく付属体が花びらのように見え、秋色に染まりはじめた草原では、つぼみのときからめだちます。 山梨県は富士山麓などに広大な草原がひろがり、関東周辺ではヒメヒゴタイを目にする機会が比較的多いエリアです。この日の朝は、登山口に近づくにつれ低い雲がたれこめ、草原を歩きまわるうちにパラパラと降りだしました。ちょうどピッタリの咲きぐあいに気をよくして撮影した直後、大粒の雨となってあわてて退散することになりました。 (2011.9.11 山梨県甲州市) ○野生植物写真館「ヒメヒゴタイ」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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