Home > 表紙によせて > 表紙によせて(2010.11〜2011.1)




 

  表紙によせて
 葦毛湿原にはこれまで3回訪問していたものの、この湿原を代表する植物といえるシラタマホシクサは、長く見ないままとなっていました。

 この湿原はわたしにとって、新幹線を使わないと、ちょっと出向きにくいところだったのですが、神奈川県に住まいを移し、さらには高速道路の割引制度の導入により、費用面でも行きやすくなったおかげで、この年、ようやくシラタマホシクサの時期に散策する機会を得ました。

 湿原入口に車を止め、小川に沿った散策路をしばらく歩くと、いよいよ湿原が現れます。木道を進むにつれ、ほどなくシラタマホシクサの群生が目に飛びこんできました。葦毛湿原のシラタマホシクサは、かつてほどの規模ではなくなったそうですが、白いお菓子のような花序が一面に散らばるようすは、他に似たようなものが見当たらない独特のものです。

 写真は、花序の密度の濃いところをマクロレンズで切りとった1枚で、その自然の造形には驚かされるばかりです。こんな魅力的な植物が、世界中でここ、東海地方だけに分布しているなんて、いくつもの自然の要因が積みかさなって生まれた偶然かもしれません。

     (2010.10.10 愛知県葦毛湿原)

○野生植物写真館「シラタマホシクサ」
「表紙によせて」バックナンバー