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「宮本さんもぜひ見に来てください」。あたたかいメッセージをいただいたのはもう数年前のことになります。なんとか都合がつき、やはり山口県にあるニジガハマギクなどとあわせて、ダルマギクの撮影に出かけることができたのは、この年の秋のことでした。 風の強い日でしたが、橋の左右に広がる青い海、そして海岸の岩場や草原に群生するダルマギクは、予想以上のすばらしさでした。満開より少し遅かったとはいえ、淡紫色のほか、白花や濃紫色の花もあって、園芸種と見まがうほどでした。 ところが、「ようやく報告ができる」と、足どりもかろやかに帰宅したわたしを待っていたのは、突然の悲しい知らせでした。現地を訪ねた3日前に帰らぬ人となっていたとのこと、わたしが今年こそ行かねばと思ったのも、虫の知らせだったのかもしれません。 翌年の1月に行われた故人をしのぶ会では、最初で最後のごあいさつができ、参列された多くの方々から、その人となりをうかがう機会がありました。当日、現地は1年に1度あるかどうかという雪の日となり、生前は「雨女」だったというその方は、亡くなられてもなお、新たなエピソードを残してくださいました。 その方がHPを立ち上げられたころ、アマチュアが野生の植物を紹介するHPはまだまだ少ないものでした。それから10年が経過するなかで、たくさんのHPが生まれ、インターネットは植物の情報交換の場として大きく成長しています。ご冥福をお祈りするとともに、この分野の先人として、大好きだったダルマギクとあわせ、いつまでも記憶したいと思います。 (2008.11.16 山口県下関市) ○野生植物図鑑「ダルマギク」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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