Home > 2018年版・今年出会った花ベスト集 > ナガサキギボウシ(宮本)


 この1年にみなさんがご自分で撮影された花の中から、
「今年出会った花ベスト1(3まで)」を選んでくださいました。
 一覧表はこちらで見ることができます。
連載開始は2018年11月16日です。

1月12日からはわたし(宮本)の写真を紹介しています。

3つめはナガサキギボウシです。


ナガサキギボウシ

ナガサキギボウシ(9月22日)

 せっかく長崎に来たのだから、名前に「長崎」とつく植物は全部見て回ろう、と思っていたのですが、去年、夏〜秋に自宅周辺の山を歩いたときには、ナガサキギボウシらしき葉も花もまったく見当たりませんでした。聞けばシカやイノシシの食害で壊滅的な被害を受け、今ではこれらが足を踏み入れにくい崖地ぐらいにしか残っていないとのこと。たしかに若芽は「うるい」と呼ばれ、山菜として食べるくらいですから、動物たちにとってもきっと美味なのでしょう。
 ギボウシ類として花期は遅めで、9月下旬になって地元の方から「そろそろナガサキギボウシが咲きだしますよ」と連絡をいただきました。さっそく現地を訪ねたところ、スギの植林ばかりのうす暗い樹林下を歩くうちに突然視界が開けて目の前に海が広がり、足元の岩場にはダンギクの濃紫色の花が現れました。その下を見下ろすと岩陰に薄紫色の花が風に揺れるのが目に入り、ようやくナガサキギボウシとの対面となりました。