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長崎に住んだ3年間、植物観察については計画を立ててできるだけ多く、九州各地を訪ねるよう心がけました。じっさい、植物の宝庫である阿蘇に7回、くじゅうには6回出向くなど、先達の方々にご協力をいただきながら、目にしたいと思っていた植物のほとんどを撮影できました。一方で、1つの植物だけをスポット的に観察するようなケースは、どうしても後回しになりがちだったのが反省点です。 その1つだったゲンカイイワレンゲを観察できたのは神奈川県に転居した年の冬、べつの用事で福岡県に出向いたときに、あわせて現地に立ち寄る機会を得ました。考えてみれば、福岡県で足を向けたことがあるのは旧国名の筑前、筑後ばかりで、豊前はこのときが生まれて初めてとなりました。 海岸近くにある岩場の崖を埋めつくすゲンカイイワレンゲの群落は想像していた以上にみごとで、塔のような花序が林立してたくさんの花を咲かせる風景は圧巻でした。写真は、群生しているエリアを100mmマクロレンズで切り取ったもので、圧縮効果で密なようすが強調されています。 (2020.12.6 福岡県) ○野生植物写真館「ゲンカイイワレンゲ」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |