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3回目となった沖縄本島の植物観察では、初めて十分な時間をとって島内各地を回ることができました。やんばるをすみかとする希少な植物を観察したあと、リュウキュウシロスミレなどを求めて寄った道路沿いでムラサキサギゴケを撮影していたところ、ご案内いただいた方から「ムラサキサギゴケなら、向こうにもっとたくさんありますよ」と声をかけられました。 ちょっとした群落でもあるのかと思い、示された道路向こうの芝地に向かってみると、まるで紫色のじゅうたんを敷いたように、緑色の芝生のあちこちに広がるムラサキサギゴケが目に飛びこみ、そのみごとさに思わずびっくりしました。たしかにムラサキサギゴケは、条件がよいとマット状に群生することがあるのですが、ここではよほど相性がよかったのか、畳ほどの大きさの群落がいくつもできているのです。 あいにくの小雨の中、傘をさしながらの撮影となりましたが、数え切れないほどの被写体に目移りしながら歩き回るのは楽しいものでした。雨が降っていても、明るい日であれば水玉がレフ板のように画面全体に反射して、やさしいふんいきの写真を撮ることができます。めずらしい植物にいくつも会えた沖縄訪問でしたが、ムラサキサギゴケのような普通の植物にじっくりと向かい合えたことも、わたしにとっては大きな収穫となりました。 (2007.3.18 沖縄県東村) ○野生植物図鑑「ムラサキサギゴケ」へ ○「表紙によせて」バックナンバー |
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