Home > 2011年版・今年出会った花ベスト集 > キクザキイチゲ(花パパと花ママさん)


 この1年にみなさんがご自分で撮影された花の中から、
「今年出会った花ベスト1(3まで)」を選んでくださいました。
 一覧表はこちらで見ることができます。
連載開始は2011年11月18日です。

花パパと花ママさんの1つ目の作品はキクザキイチゲです。


キクザキイチゲ
 
以下は花パパと花ママさんからのコメントです。

 今年は東日本大震災と福島第一原発の事故、そして台風の被害によって、福島県内はとんでもない状況に陥りました。野草に関しても、大津波で多くの海沿いの花が消失し、車道や登山道の崩落などで行けなくなってしまった自生地、そして放射能汚染で立ち入ることができなくなった場所が多々あります。それでも、私たちは県内の花歩きを続けました。見たい花を求めて、放射線量が高い場所にも出かけました。放射線測定器を片手に花歩きをすることになろうとは、一体誰が想像できたでしょうか...。

 キクザキイチゲは早春によく見かける花ですが、このような玉咲きの花は初めて見ることができました。とても美しい花姿です。震災から1か月後の、大きな余震が続き、原発事故収束の目途も立たない頃に、福島市内で出会いました。この花はほぼ全てのしべが弁化していますが、近くには不完全に弁化した花もいくつか見られました。

2011年4月10日 福島県福島市
撮影 花パパと花ママさん

今年は未曾有の天災に見舞われたうえ、人災まで加わって、福島のみなさんには本当に
つらい1年だったと思います。このみごとな八重咲は、まるで福島の方々をはげますように
咲いたかのようですね。なお、撮影は震災の1ヶ月後ですが、花芽分化の時期を考えると、
この突然変異と原発事故には因果関係はないとみるのが自然です。念のため。

花パパと花ママさんのHP「野の花・山の花 北海道」では、北海道、アメリカ合衆国、
そして現在お住まいの福島県などで撮影された花たちが紹介され、さまざまな脅威に
負けずに季節を重ねていく福島の植物のようすも感じとることができます。